ビジネス英語講座以下は、「中小企業家しんぶん」という産業紙に掲載された 英語の連載(全6回)です。お楽しみ下さいませ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『通じるビジネス英語』第1回目原稿 Hello, everyone!! I’m Ken Suetsugu, English Interpreter. 英語通訳者の末次賢治です。今月より、標題の講義をさせて頂きます。 現在、駐日大使館等も含め60社以上の各分野の企業から翻訳通訳の業務を 頂いております。ビジネス通訳者として、ビジネス上、より効果的な 英語運用のコツを申し上げます。 ビジネス英語には、論理的思考が不可欠です。論理的思考とは、「筋道を立て、 辻褄が自然と合う表現方法。相手に判り易い表現方法」です。英語は極めて 論理的な発想・言葉です。 日本語はそうでありません。多くの人が理解されてませんが、 日本語をそのまま英語に転換しても、決して通じません。 言いたい事を論理的に組み直してそれを英語に転換します。 ですから、日頃より、論理的に日本語を使う習慣が求められます。 論理的日本語が出来れば英語が通じます。 ①『この商品は全て自社工場にて製造しております。 ですからご安心してお買い求め頂けます。』 これは菓子メーカーのカタログの一文です。 日本語として、少しおかしい事にお気付きでしょうか? この文の英語訳 は、 “ All of the products are manufactured in our own factory under the severe quality control. You can enjoy the good taste of them”.です。 上の日本語文は、不完全です。 「自社工場で製造しているからといって、それが、安心出来るという事には、 必ずしもなりません。自社工場でも不良品が出る場合も考えられます」 最初の文と後の分を結びつける言葉を補って、辻褄の合う様に工夫します。 「厳しい品質管理の下で」との言葉がないと、英語では意味が通じません。 お分かりでしょうか。 英語でビジネスを進める場合、論理的思考が無いと、外国人には通じません。 ②『この帽子は、色の種類が豊富で、お客様に好評です。 少しずつの注文で御免なさい。』 この文章は、外国の帽子メーカーへの発注時に書かれていた文章です。 時折、こうした矛盾した文書の翻訳依頼が来て戸惑う事があります。 上の文を、仮に、文字通り、一言一句そのまま英語にしたら、 外国メーカーには通じません。 「お客に好評であれば、沢山発注が来る筈」と 外国人は論理的に考えますので、(少しずつの注文)という事が 理解出来なくなります。この様な場合は、再度、言いたい事を 確認する必要があります。 尚、最初の文の訳は、 “ Your hat enjoys popularity since it has color variety.” 好評と言う場合は、 ‘ enjoy popularity’ という言い方をします。 英語でビジネスを進めたり、英語で意見を述べる際は、言いたい事を 論理的組み立てて言いましょう。 論理的思考を身に付ける訓練として、【①物事を結論から先に述べる。 ②その後に、理由を箇条書的に幾つかに分けて述べる】事をお勧めします。 See you !!! |